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No376 壬申の乱の進路-阿紀 [日本大好き]

日本書紀には、阿紀は「吾城」と書かれています。

万葉集の巻1の「軽皇子、安騎の野に宿る時に、柿本朝臣人麻呂の作る歌(45-49)」
【柿本人麻呂】
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/hitomaro2_t.html#VRより借用。ここに、安騎の野の様子が詠われています。

軽皇子、安騎の野に宿ります時に、柿本朝臣人麻呂の作る歌
やすみしし 我が大君 高照らす 日の皇子(みこ)
神(かむ)ながら 神さびせすと 太敷かす 都を置きて
こもりくの 泊瀬(はつせ)の山は 真木立つ 荒き山道(やまぢ)を
岩が根 禁樹(さへき)押しなべ 坂鳥の 朝越えまして
玉かぎる 夕さり来れば み雪降る 安騎(あき)の大野に
旗すすき 小竹(しの)を押しなべ 草枕 旅宿りせす いにしへ思ひて(1-45)

【語釈】◇高照らす日の御子 天を高くお照らしになる日の神の御子。「照らす」は「照る」の尊敬態。◇太敷かす どっしりと治めていらっしゃる。◇こもりくの 「泊瀬」の枕詞。◇泊瀬の山 奈良県桜井市初瀬の山。古代大和政権の中心であった聖地。◇真木立つ荒き山道 杉檜の茂り立つ、荒々しい山道。◇禁樹押しなべ 遮る木々を押し伏せ。◇坂鳥の 「朝越え」の枕詞。◇玉かぎる 「夕」の枕詞。◇安騎の大野 奈良県宇陀郡大宇陀町一帯の野。◇旗すすき 吹き流しのように靡く薄。◇草枕 「旅」の枕詞。
短歌 (四首)
安騎(あき)の野に宿る旅人うち靡きいも寝(ぬ)らめやもいにしへ思ふに(1-46)
【通釈】安騎の野に宿る旅人たちは、草が靡くように臥して眠ることなどできようか。昔のことを思うにつけて。
【語釈】◇宿る旅人 軽皇子はじめ、遊猟の一行。◇うち靡き 「うちなびきぬるとは、身をなよらかに臥さま也」。◇いも寝らめやも 眠ったりできようか。

安騎の野はどのようなところかお判りになれましたか? 私はよく意味が判りませんが、
【こもりく初瀬の山は 真木立つ 荒き山道を 岩が根 禁樹(さへき)押しなべ 坂鳥の 朝越えまして 玉かぎる 夕さり来れば み雪降る 安騎(あき)の大野に】

み雪降る 安騎(あき)の大野には、み雪降っていたようですが、道中は大変だったようです。

このような和歌は、吉野の宮滝あたりも、沢山ありますので、全部読みますと、1300年ほど前を偲べるかもしれません。

この日、大海人皇子は、倭京の留守司・高坂王に駅鈴を貰いに行くように大分君恵尺と黄書造大伴・逢臣志摩に命じています。もし、駅鈴を得ることが出来ない時は、逢臣志摩は戻って報告するように指示。大分君恵尺は、近江に行って高市皇子・大津皇子を呼び出して、伊勢で落合えるように伝えることになりました。逢臣志摩は報告に戻り、黄書造大伴・大友連馬来田は、遅れて阿紀で追いついています。
 大分君恵尺と黄書造大伴・逢臣志摩たちは、馬で行ったと思われます。特に、大分君恵尺は、すぐに、大津へ行きませんと、高坂王が先に、大友皇子に報告しますと、高市皇子・大津皇子は捕虜になってしまいますから、急いだと思われます。

 一方、阿紀の近くには、大海人皇子の屯田があったらしく、そこの屯田司である舎人土師連馬手が天皇の従者の人々の食事の差し入れをしたことが、日本書紀に記されています。



ただ、下のページに、壬申の乱のときに、大海人皇子側に従った人を書いておきました。そして、この中に、高坂王を入れておきました。高坂王は、駅鈴を出す権限がありました。しかし、出しませんでした。子供使いではありません。大海人皇子は、大分君恵尺と黄書造大伴・逢臣志摩の三人に行かせたと云うことは、駅鈴を依頼することは、形だけで、実情を高坂王に伝え、味方につくように交渉させたのではないでしょうか? もう一つの期待は、大津京にいる皇子たちの情報を得ることだったのではないでしょうか?
結果は、断られましたが、その足で大津へ行っています。そして、皇子を無事救い出しています。
最後には、寝返っていますから、大海人皇子が反乱を起こしたことは、大友皇子には伝えなかったのではないでしょうか?
壬申の乱のあと、三位の位を受けています。


【壬申の乱の登場人物/大海人皇子側】
に登場人物の一部の資料を書いておきました。

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vetty

nice ありがとうございました。 まさきんぐの多趣味な毎日 楽しく拝見しました。

by vetty (2008-10-03 08:06) 

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